About なちやのこだわり

エコロジー塗料としての「漆」

漆とは優れたエコロジー塗料で10~15年育てた木からたったの200~300gしか採れず、しかも採取に大変手間ひまがかかる貴重なものです。(日本の場合、漆の木はひと夏かけて採りきった後切り倒されます)
まさに漆とは、漆の木が光合成で二酸化炭素を吸収して作った貴重な自然の恵みともいえるのです。また漆は、石油を原料とした化学塗料とは違い、採取・精製から塗装・乾燥(硬化)にいたるすべての工程で、ほとんど環境に負荷をかけることのない優れたエコロジー塗料でもあります。
今後の低炭素社会実現に向け、もっと見直されるべき塗料といえるのです。

漆器は理想の食器

その漆を塗師が丹念に木に塗り込んだ本物の漆器、陶器などにはない独特のぬくもり・艶・手触りがあり、軽さや保温性は他の追随を許しません。また本物の漆器は、陶器などのように簡単に割れたり欠けたりすることがない丈夫な器です。
仮に傷んでも塗り直すことができ、もし廃棄する場合でも環境に優しく、しかも漆には抗菌性があることが近年の研究で明らかになってきました。まさに理想の食器といえるのです。
また漆器は日本を代表する伝統工芸品であり、その歴史ははるか縄文時代にまで遡れます。長く日本人に愛され使い続けられてきた漆器、しかし最近、食生活の変化や「高い」「手入れが面倒」などといった理由で、本物の漆器をお使いになる方が減ってきました。
確かに本物の漆器は作るのに大変手間がかかり高価な物です。すべて日本で手仕事で作った場合、通常の汁椀のサイズで一客5,000円はします。しかし仮に毎日色々と使えてずっと愛着をもって使えるとしたら、五、〇〇〇円は高いでしょうか。

なちやの漆器について

なちやは丈夫で長持ち、現代の生活にフィットし、和洋混在の現代の食生活シーンで色々と使い回しのできるモダンデザインのオリジナル漆器を、伝統的漆器の製法である本漆塗り・木製・手作りにこだわりつつも、なるべくお安くご提供することにより、「高い」といった声にお応えしようと思っています。
更に、食器洗い機にも対応するお手入れ楽々の「純漆塗」をご提供することで「手入れが面倒」といった声にお応えしたいと思います。
どうぞ一度使ってみてください。きっとご満足していただけるものと確信しております。

純漆とは

純漆(弊社呼称)とは厳選された100%天然の漆を、更に純度よく、よりきめ細かく精製した漆で、漆製造メーカー・顔料メーカー数社と京都工業試験場により共同で開発されました。
業界ではMR漆と呼ばれています。元来の目的は寺社仏閣などの屋外用として開発され、従来の漆では硬化しない低温・低湿の環境でも硬化し、漆にとって大敵である直射日光や極端な熱にも強く、 塗膜が硬く傷がつきにくい、木肌への浸透性が高いためハガレにくい、美しい艶が得られるといった優れた特長を持ちます。
これらの特長は、漆の樹液を熱を加えずに精製「クロメ」する新精製法により、漆が本来持つ強さを存分に引き出すことにより得られました。

給食用漆器としての展開

当時プラスティックの食器から環境ホルモンが溶け出すといった問題もあり、「子供には安全な食器を」ということで漆器が注目され、福井県鯖江市では越前漆器組合の主導で 学校給食用漆器の開発が始められました。
従来の漆ではとてももたない学校給食用設備での高温洗浄・高温乾燥の環境に耐えるため、煮沸試験などが繰り返し行われました。MR漆は従来の漆に比べ非常に粘度が低く硬化が早いため、MR漆だけで塗ることは非常に難しく、高い技術力を要します。生産性を上げるため、塗りやすいよう混ぜ物をしたものは、煮沸試験で斑点状の「ヤケ」を生じてしまいました。
試行錯誤の末、ようやく一切混ぜ物をしないMR漆だけで塗り上げることができ、見事この条件をクリアし、学校給食用漆器として採用されました。

なちやオリジナルに採用

弊社は2002年に一般用漆器に「純漆」を世界で初めて採用し、弊社のオリジナル漆器を、高い技術力を持つ福井県鯖江市の漆器メーカーに製造委託し、食器洗い機対応「純漆塗」として皆様にご提供しております。
通算販売個数も1万客を越え、大変ご好評をいただいております。一切混ぜ物なしのMR漆だけで下地から上塗りまでを手塗で5回塗重ねて仕上げる製法のため、中々量産性が上がらず、一般のお椀に比べ少し割高ですが、 食器洗い機が使える利便性の他、キズやハガレにも格段に強く、末長くお使いいただけ、きっとご満足いただけると存じます。
どうぞご使用いただきますようお願いいたします。